Ms. Lis box: シールド筺体内部の励起源から生じるキャビティモードが結合し、筺体スロットにEMIが発生します。この事例はM. Li, J. Nuebel、J.L. Drewniak、R.E. DuBroff、T.H. Hubing、T.P. Van Dorenの各氏による論文 “EMI from Cavity Modes of Shielding Enclosures - FDTD Modeling and Measurements” (IEEE Trans. on Electromagnetic Compatibility, 42, 1, Feb. 2000) によるもので、シミュレーションによる計算結果と測定の結果を比較しています。
このような事案は高速ディジタル設計において特に関心を集めます。筐体のシールディング効果は放熱孔やケーブル孔、CD-ROMスロットといった開口部のために削減されるのが避けられません。このような問題に対処する場合に、上記の論文ではFDTDの有用性が示されています。論文の記述に沿ってCST MW STUDIO(CST MWS)でこれを再計算し、優れた結果が得られました。 PBA技術の適用により、同軸導体とスロットはメッシュポイント数を抑えながらモデリングすることができます。
上図の緑線は28,000ノードという比較的粗いメッシュによる計算結果です(計算時間9分)。メッシュを細分化し、より正確な計算を行った場合は、35分の計算時間を要しました。いずれの場合も400MHz、Pentium IIプロセッサ搭載のPCで計算を行い、ARフィルター機能を使用して計算時間の削減を図っています。
論文では筺体から3m距離の電界強度の計算(黒点線)と測定(黒実線)も行われています。この場合もCST MWSの計算は論文とよく相関のとれた結果を示します。
この記事の資料をご提供くださいましたDr. Caniggia(ITALTEL, Milano)に、CSTは感謝の意を表します。
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