GPSがずれる原因は多種多様｜解消する方法もあわせて説明

GPSを利用していると、位置情報が実際のデータよりもずれてしまうことがあります。いったいどうしてこのような現象が起きてしまうのでしょうか。

この記事では、GPSがずれる原因やずれを解消する方法について解説します。GPSに関するデータが知りたい方は、ぜひ参考にご覧ください。

GPSはどんな技術なのか

GPSは「Global Positioning System」の略称であり、人工衛星を使った位置情報算出システムです。人工衛星が発信する電波を地球上の受信機が受信し、それまでにかかった時間をもとに人工衛星と受信機の距離を割り出します。それによって位置情報を計測することができるのです。

現在、GPSはカーナビをはじめとした関連機器に利用されたり、津波計測などから防災面に活用されたりしています。今後もその注目度は上がっていくことでしょう。

GPSがずれる原因は

世界で注目されているGPSですが、位置情報のずれが発生することも少なくありません。このGPSがずれる原因は一つではないと考えられています。ここでは、4つの原因をピックアップして解説するので、ぜひご覧ください。

①受信できる衛星の数

GPSは、4個以上の人工衛星を用いることで正確な位置情報を算出しています。しかし、障害物の影響などによって受信可能な衛星の数が減ってしまうと、参考にできるデータが少なくなるため、結果的に位置情報のずれにつながってしまうのです。

②電離層・対流圏

GPSの電波は、電離層・対流圏を通って受信機まで進んでいきます。その際、大気の影響などによって遅れが発生し、位置情報のずれを引き起こすこともあるでしょう。ちなみに、対流圏よりも電離層のほうがずれの幅は大きくなるといわれています。

③電波による妨害

「ジャミング」と呼ばれる妨害がGPSの電波に影響を与えることも、ずれの原因の一つです。こういった動きは軍事面でも用いられており、意図的に正確な位置情報が算出できないようにしているケースもあります。

④マルチパス

マルチパスは、周辺に障害物がある影響によって電波が反射してしまい、複数の経路をたどって電波が届く状態のことを指します。そして、結果的にGPSのずれにつながってしまうのです。

具体的には、山に囲まれた地域やビルが多い都市部は、こういったマルチパスの影響を受けやすいといわれています。

GPSの誤差については、以下の記事も参考にご覧ください。

関連記事：GPSの誤差や精度はどれくらい？原因は？基本情報や今後の展望も合わせて説明

GPSのずれを解消する方法

GPSのずれは、前述したようなさまざまな原因によって発生します。これらのずれを解消するには、新しい技術を開発する必要があるでしょう。例えば、国産の衛星測位システム「みちびき」を開発することによって、精度の高い位置情報が算出できるようになったことは、こういった流れの代表的な例です。

なお、ずれを解消する技術開発に取り組む際は、現在どのような問題点が発生しているのかをしっかりと把握・確認することが求められます。

ずれを解消してGPSの精度を高める方法については、こちらの記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

関連記事：GPSの精度を向上させる方法｜精度向上によってもたらされる影響

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