簡単に充電できるワイヤレス給電は、現在多くの注目を浴びています。しかし、どのような仕組みによって充電が行われているのかわからず、疑問に感じる方も多いことでしょう。
ワイヤレス給電は、送信アンテナから受信アンテナに向かって電力を送ることで成り立ちます。これによって、電線を使わない給電方式が実現するのです。
今回の記事では、上記のようなワイヤレス給電の仕組みを詳しく解説します。ワイヤレス給電の長所と短所や今後の展望についても説明するので、ワイヤレス給電について詳しく知りたい方はぜひ最後までお読みください。
ワイヤレス給電の仕組みについて見ていく前に、基本的な情報をおさらいしておきましょう。ワイヤレス給電とは、その名の通り電線を使わずに電力を供給して充電することを可能とする技術のことです。このほかに、「ワイヤレス電力伝送」「WPT(Wireless Power Transfer)」などと呼ばれることもあります。
現在、日常生活の中で広く使われているワイヤレス給電としては、「スマートフォンへの充電」が代表的な用途として挙げられるでしょう。この場合、ケーブルに接続せず、パッドなどに置くだけで、自動的に充電が開始されます。より効率よく給電できるとして、注目を浴びている技術の一つです。
ワイヤレス給電の基本的な情報については、以下の記事で詳しく解説しています。いくつかに分類可能であるワイヤレス電力伝送の種類についても述べているので、あわせてご覧ください。読むことで、ワイヤレス給電そのものに対する理解度が増すことでしょう。
ワイヤレス給電の原理は、いたってシンプルです。送信アンテナから電力を受信アンテナに向かって送ることで、電線を使わない非接触の状態でも給電ができるようになります。
なお、さらに細かな仕組みについては、ワイヤレス給電の種類によって内容が変わります。たとえば、ワイヤレス給電の中でもスタンダードな電磁誘導方式の場合は、「2つのコイルを利用し、そのうちの1つである送電用コイルに電気を流す。そして、もう1つの受電用コイルがその磁界を受けることで給電が行われる」といったプロセスで電気が流れるのです。
これに対して電界結合方式は、「送電側と受電側の2つの電極を用いて静電容量結合を発生させ、電気を流す」という仕組みで給電が行われます。このように、ワイヤレス給電の種類が異なると仕組みも違いますので注意が必要です。
電磁誘導方式の中でもさらに効率化を重視し、コイルを共鳴状態にすることが特徴的な「磁界共鳴方式」については、こちらの記事もあわせてご覧ください。基本的なメカニズムや長所・短所などについて説明しています。
関連記事:磁界共鳴方式のまとめ|ワイヤレス電力伝送の基本も説明
続いて、ワイヤレス給電にどんな長所と短所があるのか見ていきましょう。長所と短所について学ぶことで、さらにワイヤレス給電への理解度が高められます。
ワイヤレス給電の主な長所は、「充電の際の手間が減らせること」「感電するリスクが減らせること」などが例に挙げられます。これに加えて、「ケーブルが劣化する心配をせずに充電ができること」も、利用者にとってはうれしいポイントです。
また、給電のあり方が進化していくことで、社会全体に技術革新が起こせることもワイヤレス給電の大きな長所です。充電切れを考慮せずに社会活動が進められるようになるため、ビジネスのあり方などにも変化が現れるでしょう。これは、快適な社会づくりに大きく貢献します。
ワイヤレス給電の短所は、「給電スピードがケーブル使用時に比べて遅いこと」「ワイヤレス給電をしながら機器を操作するのは難しいこと」などが代表的です。
これに加えて、人体への影響が懸念されていることも忘れてはいけません。電磁波が人体にどのような悪影響を及ぼすのかまだはっきりしていないため、健康面への対策にもなるべく早く取り組む必要があります。
ワイヤレス給電には短所もありますが、充電のあり方を根本から変える新規性の高さには多くの期待が集まっています。こうした動きは、関連技術の開発も活発化させることになるでしょう。
今後は、「電気自動車をはじめとした大型の機器への給電が可能になる」というように、充電の範囲・距離が拡大するのではないかと予測されています。こういった流れは電気自動車の利用を促進し、地球環境保護にも良い影響を与えていくはずです。
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