午前プログラム
【基調講演】
メタマテリアルとメタサーフェスによる6G・テラヘルツ波デバイスの進化
次世代移動通信システム(6G)では、テラヘルツ波の活用が期待されています。テラヘルツ波は4G・5Gで使われている周波数に比べて高周波のため、電磁波と物質の相互作用が異なり、既存技術では6G用デバイスの設計に限界があります。また、適した物質の選定も課題です。メタマテリアルは、電磁波を自由に制御できる可能性を秘めた革新的な技術として注目されています。本講演では、私たちのグループが開発したテラヘルツ波を制御するメタマテリアルおよびメタサーフェスについて解説します。
CST Studio Suite 2025アップデート情報
最新バージョン CST Studio Suite2025注目の新機能についてご紹介いたします。
午後プログラム
TRACK1
【ユーザー事例紹介】
スタジアムの電磁界シミュレーション(仮)
T-Solverを使った0.7GHz帯~4.1GHz帯の10波平面アンテナから、A-solverを用いて野球場などのスタジアムに複数のアンテナの無線エリア展開を行っている。
【ユーザー事例紹介】
陽子線がん治療装置におけるCST Studio Suite を用いた高周波共振器の開発―計算モデルと実測値の比較―
本講演では、陽子線がん治療装置における高周波共振器の開発について、CST Studio Suite を活用した取り組みを報告する。CST Studio Suite では、固有値解析モードを用いて、共振器の共振周波数、Q値、および電圧比の計算を行った。
さらに、計算結果と実測値を比較するために、いくつかの形状変更を加え、計算モデルと実機の共振周波数を比較した。その結果、共振周波数の誤差は非常に小さく、設計変更を行うことなく開発を完了することができた。
本講演では、CST Studio Suiteによる計算過程に加えて、他のCAEソフトウェアとの連携についても報告する。
「モーメント法をベースとした I ソルバーのご紹介と高周波ソルバーの比較」
CST で高周波向けとして大きく分けて4種類のソルバーが存在します。
その中で時間領域ソルバーや周波数領域ソルバーは、活用も多く資料が豊富にございます。また、レイトレース法の A ソルバーは近年の講演で機能紹介や応用例などご紹介してきました。残りのモーメント法を用いた I ソルバーは、対象となる解析規模的にも活用に至らずあまりご存知ない方も多いかと存じます。本講演では、この I ソルバーにスポットライトを当て活用法等のご紹介を致します。
「周波数領域ソルバーにおける領域分割法」
F-solverは有限要素法でMaxwell方程式を解く周波数領域のソルバーです。F-solverが方程式を解く手法には直接法(Direct)と反復法(Iterative)、それに加えてモデルを分割して並列計算を行なう領域分割法(DDM)が実装されています。特にDDMはF-solverでもアレイアンテナなどの大規模計算を可能とする手法であり、またv2025からDDMにGPUを使えるようになったことで今後注目されていくことが期待されます。そこで今回はDDMの基本的な原理や使い方など、解析例を交えながらご紹介します。
「CSTとIsightの連携による多目的最適化およびサロゲートモデルの有用性の検証」
CSTとの連携が可能な最適化ツールであるIsightについて、今年はまずCSTのみでは実現できなかった多目的最適化におけるパレート解の評価をご紹介いたします。また、Isightではサロゲートモデルの構築も可能です。電磁界解析との連携においてその恩恵がどれほど得られるのか、検証した内容をご報告いたします。その他、スクリプトを介した連携や分散計算、プラットフォーム版の情報もご提供いたします。
【ユーザー事例紹介】
CST Studio Suiteにおける複合材料ミクロモデル構造の電磁材料物性への影響について
構造解析では、複合材料の機械物性は引張試験などで実測されてきたが、近年では物性予測技術が発展し、複合材料内の繊維構造を再現したミクロモデルを構造解析することで機械物性を予測する手法が実設計に使用されつつある。
一方、電磁場解析では同様の手法による物性予測の報告は少ない。
本報では、CST Studio Suiteにおけるミクロモデル作成手法の紹介と、解析結果から炭素繊維の特徴量(長さ・配向・半径など)が電磁材料物性に与える影響について報告する。
TRACK2
【ユーザー事例紹介】
CSTによる60GHzオーバー製品の開発と検証
テレコム、データコム市場は大容量及び高速通信が最重要課題となっており、その速度向上は3~4年で2倍の速さで進んでいる。弊社ではこの市場におけるコネクタ開発にCSTを用いているが、コネクタ開発で重要なことは開発製品の特性を正しく評価し使用可否判断を行う事である。その為には自社での評価基板作成は不可欠であり、基板を含めた開発、検証を行っている。
今回CSTを使用した高速伝送コネクタ評価用基板の設計手法を評価結果を交えて紹介する。
【ユーザー事例紹介】
EMC対策のための磁性体コアシミュレーション実践講座:Sパラメータ活用と実測検証
フェライトコアやトロイダルコイルのシミュレーションと実測の整合性を高めるための具体的な手法をご紹介します。Sパラメータを用いた磁性体の電気的物性値の算出方法や、シミュレーションにおける解析方法とポイントを、成功事例と失敗事例を交えて解説します。
「PCB Studioを活用しよう!」
PCB Studioは2.5D簡易シミュレーションソルバーを持つ、基板のプリレイアウトツールです。
本稿では、PCB Studioのプロジェクトテンプレート、 デザインルールチェック、 シグナルインテグリティ、パワーインテグリティ、 同時スィッチングノイズ、デカップリングコンデンサの最適化、DDR4、DDR5ツールなどの機能説明を行います。操作ワークフロー詳細は、参照先をご案内します。また、最後に2.5D、3D各ソルバーのシミュレーション結果を比較し、PCB Studioの解析結果の特徴を説明します。
「Cable Studioの新機能のご紹介とFAQ」
Cable Studioは、ケーブルの電磁界解析に特化したモジュールで、ケーブルを等価回路モデルに変換した上で、Tソルバーと連携した解析を行えます。本講演では、よくお問い合わせをいただく設定のポイントについて、いくつかの検証モデルを基に解説します。加えて、近年追加された新機能についてもご紹介します。Cable Studioを適切に使いこなしていただくためのヒントとなる知見をご提供できればと考えております。
「CST における解析マシンの最適化:ハードウェア構成の影響と性能検証」
数値計算の分野において、解析マシンの性能は解析可能な規模や計算時間に大きな影響を及ぼします。
本公演では、OS、CPU、GPU、RAM などの主要なハードウェア構成が、CST Studio Suite を用いた電磁界解析にどのように影響を与えるか、具体的な検証データを基にご紹介します。
これにより、解析効率を最大化するためのハードウェア選定に役立つ情報を提供します。
「電磁界解析×DX MODSIMで進化するエンジニアリング」
電気機器の設計開発を効率化するうえで、デジタルトランスフォーメーション(DX)は今や不可欠です。
ダッソー・システムズが提案する MODSIM(モデリング&シミュレーション) は、設計と解析プロセスをシームレスに統合し、エンジニアリングの革新を促します。本講演では、CST電磁界シミュレーションを中心に、要件定義から設計・解析までのプロセスを統合する MODSIM の活用方法をご紹介します。
ミニセッション
「荷電粒子ビーム応用装置のためのparticle interfaceを使った効率的なシミュレーション」
荷電粒子ビーム応用装置では、粒子源で発生したビームが様々なビームラインコンポーネントを通過し、ターゲットやコレクターまで輸送されます。それらの各コンポーネントを全て含めた全体を一つのシミュレーションモデルとすると、大規模なモデルとなり計算が難しくなります。この場合は、各コンポーネントごとの荷電粒子ビームシミュレーションで得られる粒子情報を橋渡しできるparticle interfaceを使うことが有効です。本講演ではこの方法について紹介します。
「荷電粒子シミュレーションのヒント2」
昨年に引き続き、荷電粒子シミュレーションでつまづいた時の対応方法や見落としがちな機能について紹介します。
サポートセンター
ユーザーの皆様のご質問にお答えするサポートセンターを開設いたします。
CSTご利用にあたってのお困りの疑問・質問などをお気軽にお問合せください。
- 開設時間
- 11:45 ~ 16:20(各回 15分)
- 開設場所
- ルーム 501(ミニセッション会場と同じ)
※当日先着順での受付となります。
企業展示
株式会社パナソニック システムネットワークス開発研究所
パナソニックシステムネットワークス開発研究所は、330GHzまでのミリ波・テラヘルツ波測定に対応した大型電波暗室を完備し、無線に関わる課題解決をワンストップで提供します。
35年以上の無線機器の設計経験を持つ専門家チームが、アンテナ測定から材料評価、OTA評価まで幅広いニーズに対応。最先端の測定環境と豊富な知見で、無線技術の発展に貢献し、日本のミリ波&サブテラヘルツ波通信の発展を支援します。
「GPUワークステーション HPC5000-XERGPU4TS」
HPCシステムズは、ハイパフォーマンスコンピューティング分野のソリューション企業です。科学技術計算やディープラーニング・AI環境を構築するシステムインテグレーションサービス、HPC/CAEシステム販売、ソフトウェアの並列化・高速化サービス、計算化学、マテリアルズ・インフォマティクスのプログラム開発・販売、受託計算サービス・研究開発支援、創薬や材料研究開発向けサイエンスクラウドサービスをワンストップで提供しています。
e・オータマでは、お客様のニーズに合わせてEMC立会い試験、EMC受託試験(立会い不要)、出張EMC試験サービスからお選びいただけるほか、EMC試験をクリアするためのノイズ対策支援サービスも行っています。
弊社でのテストレポートはCEマーキング適合のための技術ファイルに使用できます。また、製品安全試験とのワンストップでの対応も可能。
当社のネットワークを最大限に活かしたEMCのトータルソリューションを展開しています。
CPUやGPUの高性能化に伴い、消費電力と排熱量が大幅に増加しています。特に、大容量メモリを搭載したGPUは、手元のPCやワークステーションで使用する際、騒音や熱の問題が課題となります。そのため、計算サーバー室やクラウドでの利用が一般的ですが、手元で高性能な計算を行うには、これらの問題を解決する必要があります。
当社の液冷システムは、性能を損なうことなく、静音かつ快適に利用できる計算リソースとなります。これにより、ユーザーはストレスなく高性能な計算環境を手元で実現することができます。ぜひブースで実機をご覧ください。
「誘電率測定システム」
「人体ファントム(電磁波)」
CSTによる正確なシミュレーションの実現にも有用な、AETの誘電率測定システムを展示します。 誘電率測定に関するご相談もお受けいたします。
また、VHF~ミリ波帯の人体電気的特性(誘電率、導電率)を模擬した人体等価ブロックファントムの製品サンプルを展示いたします。