2021年10月1日
#マイクロ波

CSTがフィルタの設計にベストな理由①メッシュ技術

CST Studio Suiteは立体・平面フィルタの設計に対して充実した機能を提供しています。今回はメッシュ技術に対して詳しくご紹介します。

有限要素法がフィルタ解析に適している理由

CST Studio SuiteにもFrequency Domainソルバーとして搭載されている有限要素法はフィルタ解析に最適な解法と言えます。主な理由は2つあります。

1つ目の理由は解析周波数のサンプリング機能です。 急峻なS-Parameter特性を持つQ値の高いフィルタなどの場合、解析周波数を自動的に選択しながら周波数補間による周波数応答を高速に求めます。

2つ目はメッシュ最適化機能(アダプティブメッシュ)により、電磁界の変化の度合いが大きい箇所に重点的にメッシュを配分することが可能です。 チューナー機構などによってフィルタ内の容量変化が共振周波数に大きく影響する場合など、解析効率と精度の両面でアダプティブメッシュ機能が大きな役割を果たします。

有限要素法とメッシュノイズ

メッシュノイズという言葉はご存じでしょうか。 先述の通り、基本的には有限要素法による解析ではメッシュ最適化処理が含まれるため、最終的に得られるメッシュ分布は一定の判定基準(S-Parameterの収束判定など)に収束した結果として得られます。

フィルタ解析などにおいて、特定箇所の物理構造をいくつかの水準で変化させて解析を行うケースを考えたとき、それぞれの条件でのメッシュ分布に差異が生じる場合があります。 以下のアニメーションは、フィルタ内のチューニングポストのギャップを変えたときのメッシュの変化をアニメーション表示しています。 丸枠で囲んだ部分に注目頂くと、特定の条件でメッシュ分布が異なっていることが確認できます。

チューニングポストのギャップを変化させたときのメッシュ分布の様子
チューニングポストのギャップを変化させたときのメッシュ分布の様子

このような状況で解析を行った場合、メッシュ分布の一貫性が欠如していることに起因する微小な誤差が生じます。 この誤差をメッシュノイズと呼びます。 このメッシュノイズは、構造の最適化処理の際に収束性を悪化させる要因ともなります。 Q値の高い立体フィルタなどの場合、繊細な寸法調整による周波数チューニングが必要とされるケースが多くなり、メッシュノイズが問題となるケースがあります。

CSTのMoving mesh技術でメッシュノイズ問題を解決

上記メッシュノイズの問題を解決するため、CST Studio Suiteの四面体メッシュではMoving meshと呼ぶ画期的な技術を利用可能です。

NextMoving meshを有効化させた時のメッシュ状態、収束性の向上
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