SPICEマクロモデル生成ツール 「IdEM」を紹介いたします。
5G通信端末や高速デジタル系のIT機器などは情報量が多く、データの超高速伝送が必要になります。 そのために高速伝送線路の設計開発がとても重要となりました。 そのワークフローではベクトルネットワークアナライザや電磁界シミュレーションなどから取得されるSパラメータを用いて、データドライバーからレシーバからのデータ伝送線路品質の評価(シグナルインテグリティ)が行われるようになりました。 ところが、取得したSパラメータには場合によって受動性や因果性に問題がある可能性があり、Sパラメータデータの品質チェックや改善が求められています。 例え品質の良いSパラメータであってもSI評価の際、SパラメータからSPICEマクロモデルへ高精度に変換するツールが求められます。 その用途のツールとして、トリノ工科大学(伊)発のベンチャー企業(2007年設立)によって開発されました。 それが「IdEM=イデム」と呼ばれるツールです。
そのベンチャー企業は2016年にドイツの企業(CST)に買収され、その後、CST Studio Suiteのオプションとなり現在に至っています。 このツールを導入するとCST Studio Suiteのインターフェース上からSパラメータを連携して起動することが可能です。 またスタンドアローンで起動することも可能です。 (IdEMの起動活用にCST Studio Suiteは不要です。)
図1がIdEMのインターフェースであり、中央の色分けされた升目の数がSパラメータマトリクス(8×8)に該当します。 升目の色とその濃淡がSPICEマクロモデルに変換された際のSパラメータとの精度を示しています。
「IdEM」は多くの特徴と機能を備えています。その特徴と機能を以下に挙げてみました。
このようにIdEMは多くの特徴と機能を持ちます。
次項から各機能の詳細説明をしていきます。
「IdEM Express」はSパラメータデータをSPICEマクロモデルへ変換する手順を任意にセット(チェック)する機能で、タスクセレクションで必要な工程をチェックすることでモデル化のフローが自動処理されます。
ここではIdEMの動作説明のためサンプルモデル(RJ45コネクタ)の解析を行います。
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