2022年8月22日
#製品機能

CSTソルバーを全て紹介します!2022年版

AET技術部スタッフによるCST Studio Suiteの技術内容を深堀して紹介する技術トピックス、その第一弾としてCSTの全ソルバーをご紹介します。 (2022年バージョンに改訂しました)

2018年のライセンス方式の変更

2017年まではCSTでは18種類のソルバー別に必要なライセンスを購入いただく方式(アラカルト方式)でした。 2018年、CSTがダッソー・システムズに加わったタイミングで複雑なライセンス方式の解消を目的として、すべてのソルバーを自由に利用頂けることになりました。

静電磁場から高周波までの充実したソルバーラインナップを必要に応じて使い分けができる、真の意味での「トータルソリューション」のご提供が実現できました。

ソルバーラインナップ
Module
CSTのソルバーラインナップの分類と関係性

CST Studio Suiteのソルバーを特性別に分類すると上記の通り7分類に大別できます。 回路システムシミュレータが中心に位置しており、他の6つの分類と関連性のある表示になっているとおり、CSTでは回路システムシミュレーション機能が連携の要となり、 回路と3D電磁界、または電気―熱の連成解析など、高度なシミュレーションを可能としています。

高周波ソルバー

CST独自の高速・高精度な解析が可能な時間領域ソルバーをはじめ、各種解析手法とメッシュ技術を備えています。 モデルに合わせて最適なソルバーを選択することで、多岐にわたるアプリケーションや小規模から超大規模の幅広いモデルの3次元電磁界解析に対応します。

Transient Solver(時間領域ソルバー)
Transient Solve
(時間領域ソルバー)
幅広い解析モデルに対応するCSTの汎用メインソルバー。
FIT法、TLM法の直方体メッシュを用いて形状を高精度に近似した解析が行えます。
Frequency Domain Solver(周波数領域ソルバー)
Frequency Domain Solver
(周波数領域ソルバー)
四面体メッシュによるメッシュ最適化処理を備えた周波数解析ソルバー。
時間領域ソルバーと相互補完として機能します。
Eigen mode Solver(固有モードソルバー)
Eigen mode Solver
(固有モードソルバー)
閉構造の共振モード解析など固有モードの計算に特化したソルバー。
Integral Equation Solver(I-ソルバー)
Integral Equation Solver
(I-ソルバー)
モーメント法、MLFMM法を用い、大規模空間問題に特化したソルバー。
Asymptotic Solver(A-ソルバー)
Asymptotic Solver
(A-ソルバー)
レイトレーシング法を用い、Iソルバーでは解析が難しい超大規模空間問題やRCS解析が可能です。
Multilayer Solver(M ソルバー)
Multilayer Solver
(M ソルバー)
2.5次元 モーメント法による平面回路に特化したソルバー。
高周波ソルバーの一覧

CSTの代名詞的存在である、時間領域ソルバーと、有限要素法の周波数領域ソルバーが汎用性の高い2つのソルバーになります。

低周波・静電磁界解析

低周波や定常状態の3次元電磁界解析に特化したソルバーが揃っています。 回路定数や損失の算出といった、解析や設計を効率よく進めるための便利なプリ・ポスト処理機能を備えています。

E-Static Solver(静電界ソルバー)
E-Static Solver
(静電界ソルバー)
静電界の電位や電界強度、電束密度分布を計算するソルバー。
ソースとして導体の固定/浮遊電位や体積/表面電荷を設定できます。
M-Static Solver(静磁界ソルバー)
M-Static Solver
(静磁界ソルバー)
静磁界の磁界分布や磁束密度を計算するソルバー。
ソースとしてコイルや永久磁石、均一磁界、電流分布を設定できます。
Stationary Current Solver(定常電流ソルバー)
Stationary Current Solver
(定常電流ソルバー)
伝導電流分布と電界強度を計算するソルバー。
ソースとして電位や電流路、コイルを設定できます。
LF Frequency Domain Solver(LF周波数領域ソルバー)
LF Frequency Domain Solver
(LF周波数領域ソルバー)
低周波域の準静的な電磁界問題を周波数領域で解析するソルバー。
解析手法としてフルウェイブ、準静磁界、準静電界が選択できます。
LF Time Domain Solver(LF時間領域ソルバー)
LF Time Domain Solver
(LF時間領域ソルバー)
低周波域の準静的な電磁界問題を時間領域で解析するソルバー。
解析手法として準静磁界、準静電界が選択できます。
Partial RLC Solver(RLCソルバー)
Partial RLC Solver
(RLCソルバー)
モデルのRLC等価回路パラメーターを計算するソルバー。
広帯域回路定数を算出しSPICEモデル出力が可能です。
Drift-Diffusion Solver(ドリフト拡散ソルバー)
Drift-Diffusion Solver
(ドリフト拡散ソルバー)
半導体内のキャリア密度(電子密度・ホール密度)を求めることが可能です。
低周波・静電磁界ソルバーの一覧

2019年から新たに加わった Partial RLC Solverに注目です。電子部品の形状から寄生パラメータ(RLCG)を抽出、SPICEモデルを生成することが可能です。 さらに、2022年からは半導体の電荷拡散現象を解析するDrift-Diffusion Solverも登場し、より広範囲の物理現象の解析が可能となりました。

荷電粒子運動解析

低周波から高周波までの3次元電磁界と荷電粒子運動を高速高精度に解析するソルバーが備わっています。 マグネトロンの設計や加速器コンポーネントの設計、低速なプラズマ現象の解析まで、幅広い応用に向けた多彩な機能を有しています。

Tracking Solver(Trkソルバー)
Tracking Solver
(Trkソルバー)
静電磁界の粒子軌道解析やビームの計算に特化したソルバー。
粒子放出モデルとして空間電荷や熱放出、光放出など様々な過程を扱えます。
Particle-in-Cell Solver(PICソルバー)
Particle-in-Cell Solver
(PICソルバー)
マイクロ波管やRF加速などの時間領域の荷電粒子運動と電磁界を計算するソルバー。
空間電荷効果を考慮し自己矛盾なく過渡解析を行えます。
Wakefield Solver(WAKソルバー)
Wakefield Solver
(WAKソルバー)
バンチビームによって生じるウェイクフィールド の解析に特化したソルバー。
Electrostatic PIC Solver(Es-PICソルバー)
Electrostatic PIC Solver
(Es-PICソルバー)
プラズマ等の低速な荷電粒子運動のシミュ レーションに適したソルバー。
粒子の衝突を扱うことができます。
荷電粒子運動ソルバーの一覧

荷電粒子運動解析はCSTの創設者 ドイツDarmstat工科大学 元教授のThomas Weiland博士が最初に数値解析を適用した分野でもあり、この分野での解析性能は商用ソフトウェア随一と言ってよいラインナップです。

熱・応力解析

電磁界とマルチフィジックスの連携シミュレーションに向けた熱解析と構造解析のソルバーを備えています。 連成解析のためのワークフローが用意されており、他のソルバーの結果を用いた連成解析を簡単な操作で設定し実行できます。

Thermal stationary Solver(定常熱ソルバー)
Thermal stationary Solver
(定常熱ソルバー)
定常状態の温度分布を計算するソルバー。
熱放射や対流のモデリングや移動媒質の解析も可能です。
Thermal transient Solver(過渡熱ソルバー)
Thermal transient Solver
(過渡熱ソルバー)
熱分布の過渡解析が可能なソルバー。
熱放射や対流のモデリングや移動媒質の解析も行えます。
Conjugate Heat Transfer Solver(CHTソルバー)
Conjugate Heat Transfer Solver
(CHTソルバー)
数値流体力学(CFD)の手法を用いて熱伝導と対流を同時に解析。
Structural Mechanics(構造解析ソルバー)
Structural Mechanics
(構造解析ソルバー)
変位やひずみ、応力を計算するソルバー。
ソースとして変位や表面力、他ソルバーで得た電磁界や温度分布を設定できます。
熱・応力ソルバーの一覧

マイクロ波加熱やIH加熱のように電磁損失を熱源とした発熱現象に対し、CSTの電磁界解析結果をスムーズに連成させたシミュレーションが可能となっており、現在では多くのユーザー様が熱解析にも取り組んで頂いています。

プリント基板SI/PI解析

プリント基板レイアウト設計者にも馴染みやすいGUIで、EDAレイアウトツールから読み込んだ設計データの等価回路を生成し回路シミュレーションを行えます。
IRドロップやSI解析、PI解析を簡単に実施できるワークフローを備えています。

IR Drop Analysis
IR Drop Analysis
3D PEEC法によるIRドロップの解析ワークフロー。
Signal Integrity Analysis Signal Integrity Analysis
Signal Integrity Analysis
2D TL法によるSI解析ワークフロー。
時間領域と周波数領域の解析が可能です。
Power Integrity Analysis
Power Integrity Analysis
3D FEFD法によるPI解析ワークフロー。
バイパスコンデンサの配置最適化も可能です。
Board Check
Board Check
標準のEMC/SIルールに基づいたレイアウトのチェック。
プリント基板SI/PIソルバーの一覧

SI/PI解析に加えて ルールチェック機能も備わっています。 配線規格(DDR/USB/PCIeなど)に応じて各ルール基準が設定されており、高速にレイアウトチェックが行えます。 また、IR Dropの解析結果を熱源とした発熱解析のワークフローも用意されています。

ケーブルモデリング・SI/EMC解析

ケーブルモデルの解析に特化したツールで、モデルの作成と電磁界解析が行えます。 複雑なケーブルハーネスモデルでも、操作性に優れたインターフェイス上でモデルを作成することができます。

Cable Harness Solver
Cable Harness Solver
2D TL法によるケーブルハーネスの等価回路抽出し、3次元空間の電磁界とケーブル間の相互作用を計算します。
ケーブルモデリング・SI/EMCソルバー

伝送線路理論の等価回路モデルを用いて、ケーブルのSI(Signal Integrity)解析やエミッション、イミュニティのEMC解析を行えるのに加えて、 3Dシミュレーションを組み合わせて、自動車や航空機に配置されたケーブルの解析といったマルチスケールの解析も可能です。

回路シミュレーション、システムシミュレーション

最後に各解析機能を連携する要となっている回路シミュレーション、システムシミュレーション機能をご紹介します。

Circuit Simulator
Circuit Simulator
時間軸、周波数軸の各種回路解析機能を提供します。 SPICE、IBISなどの回路素子と実測データ、シミュレーションモデルを接続したシステムの応答を計算します。
ケーブルモデリング・SI/EMCソルバー

CST Studio Suiteは共通プラットフォームでシステム全体を管理します。 直感的に操作できるGUIで、複数のモデルや回路を組み合わせたシステム設計や複数のモジュールによる連成解析を簡単に実行できます。 練成解析の実際の例などについては別のトピックスでご紹介を予定しております。


以上、CST全ソルバー紹介をお届けしました。 あらゆる電磁界解析をカバーするOne Packageソリューションを標榜するCST Studio Suiteをぜひご活用ください。

会社名
株式会社エーイーティー
所在地
〒215-0033
神奈川県川崎市麻生区栗木2丁目7番6号
TEL:044-980-0505(代表)
CST Studio Suiteは ダッソー・システムズの製品です。ダッソー・システムズについては

ダッソー・システムズ株式会社はフランスに本社を置くソフトウェア開発企業です。
CAD CAM PDM PLM シミュレーションを始めとする卓越した3DEXPERIENCEを通じてお客様の3次元設計・エンジニアリング・3次元CAD・モデリング・シミュレーション・データ管理・工程管理を強力に支援します。

CST Studio Suiteは ダッソー・システムズのシミュレーションソリューションブランド SIMULIAの製品です。

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