2024年11月20日

衛星通信の種類|「静止衛星」と「周回衛星」の相違点は?

衛星通信の種類|「静止衛星」と「周回衛星」の相違点は?

衛星通信には、「静止衛星」と「周回衛星」といった種類があります。静止衛星と周回衛星の大きな違いは地上からの距離の長さです。もちろんこのほかにも相違点があり、それぞれに利点と懸念点が存在します。

この記事では、衛星通信における基本的な用語、衛星通信の種類、衛星通信の特色などについて紹介します。衛星通信に関連する詳しい情報について知りたい方は、ぜひお読みください。

衛星通信の用語

衛星通信の種類について説明する前に、まず衛星通信がどのようなものを指すのか学んでおきましょう。衛星通信は「宇宙に打ち上げた人工衛星と情報通信を行う方式」のことを指し、世界中で利用されています。地上に衛星通信用のアンテナを設置してデータ通信を実施することで、インターネットや電話などのサービスを実現しています。

現在は世界中でさまざまな企業が衛星通信の関連サービスを提供しており、衛星通信は宇宙ビジネスを語る上で外せない通信方式となりました。

「衛星コンステレーション」はそんな衛星通信に関連するシステムであり、多くの人々から注目されています。この衛星通信について学ぶなら、以下の記事も合わせてチェックすることで、さらに理解が深められるでしょう。

関連記事:衛星コンステレーションとは?用語や歴史について解説

衛星通信の種類

衛星通信の用語について理解できたら、続いて細かな種類について見ていきましょう。ここでは、「静止衛星」と「周回衛星」の2種類について情報をまとめました。

静止衛星

静止衛星とは、赤道上空36,000kmほどの位置に存在する衛星です。静止衛星は地球が自転するスピードとほぼ同じ速度で回っているため、地球から見ると動いていないように見えるところが特徴的。ちなみに「静止衛星」という名称は、この特徴が由来となっています。

また、人工衛星1機における対応可能範囲が広い点は、静止衛星における利点の1つ。これによって、打ち上げる人工衛星の数を抑えること(全体で3~4個ほど)も可能になりました。対して、地上からの距離が遠いゆえに通信遅延が発生しやすいところは、静止衛星が持つ懸念点の1つだと考えられています。

周回衛星

周回衛星は、静止衛星と異なる軌道に沿って地球の周りを回っている人工衛星のことを指しています。周回衛星は、基本的に静止衛星よりも地上から距離が近い位置に存在しているため、通信速度も速いです。

従来の通信衛星において主流となっていたのは静止衛星でしたが、現在は通信速度の高速さをはじめとした利点を持つ周回衛星の導入が拡大しています。しかし、周回衛星は人工衛星1機における対応可能範囲が狭いので、多い場合は数千個もの衛星を打ち上げなければならないことが周回衛星の懸念点と言っていいでしょう。

なお、現在世界中で注目されている「衛星コンステレーション」も、周回衛星を使ったシステムです。衛星コンステレーションの詳しい仕組みは以下の記事で解説しているため、ぜひお読みください。

関連記事:衛星コンステレーションの仕組みは?長所・短所、トレンドのポイントも

衛星通信の特色

衛星通信の特色

衛星通信には、下記のようにいくつかの特色があります。衛星通信が世界中のデータ通信を支えられる理由がこの中に隠されているので、さっそく学んでいきましょう。

  • 災害に強い
  • 場所を問わずに通信できる
  • データの容量が大きい

災害に強い

衛星通信は、地震や水害などによって通信インフラが利用できなくなった際に効果を発揮します。なぜなら、地上で起きた問題による影響を受けにくいからです。災害時も衛星通信によってデータの送受信をすることが可能になり、救護活動の進行やこれから行う取り組みの策定などに情報を活用させることができるでしょう。

災害大国としても知られる日本において、災害発生時に役立つ衛星通信の存在は大きいといえます。

場所を問わずに通信できる

衛星通信を利用すると、データの送受信を世界中で実施することができます。衛星通信は基本的に全世界におけるほぼすべてのエリア・地域に対応しており、地上だけでなく海上や空上でも関連サービスを利用することが可能です。

これはつまり、船や航空機の中でもインターネット接続などが利用できるということ。利用場所の制限がほぼなくなるため、サービスにおける自由度も高まるでしょう。

また、情報格差が起こりやすい離島や過疎地域などにも情報が提供できるので、社会貢献を進めることも可能です。

データの容量が大きい

衛星通信は利用可能なデータの容量が大きいため、画像や映像といったデータも送受信することができます。こうしてより情報量が多いデータを取り扱えることは、ビジネスにとっても大きな価値をもたらすでしょう。

今後の衛星通信について

最後に、 衛星通信がこれからどのような発展を遂げていくかについて考えていきます。衛星通信における今後の展望についても知識を得ることで、ビジネスの参入に関する適切な判断が下せるようになるはずです。

  • 光衛星通信の発展
  • さらなるサービスの登場

光衛星通信の発展

これからは、衛星通信の一種である「光衛星通信」の対策がさらに発展していくことでしょう。光衛星通信は、地上と人工衛星の通信などを光で実施することであり、現在研究が進められています。

また光衛星通信は、電波を利用した従来の衛星通信と比べると、より大きなデータを速く送受信することが可能です。これに加えて、干渉の問題が発生しにくいことも重要なポイントの1つ。つまり、衛星コンステレーションが持つ大きな懸念点である電波干渉問題をカバーすることができるのです。

衛星コンステレーションの懸念点については以下の記事で詳しく取り上げているので、合わせてご参照ください。

関連記事:衛星コンステレーションの欠点|具体的な改善点もガイド

さらなるサービスの登場

衛星通信を使ったさまざまなサービスが登場し、わたしたちの生活に欠かせない存在になっていくことも予想されます。それに該当する分野は、教育、医療、建設業など、幅広い例が挙げられるでしょう。その結果、より住みやすい社会や組織が形成されることが期待できます。

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